第113回市村清新技術財団の新技術開発助成に採択
この度、宮腰精機株式会社が開発テーマとして取り組む「印刷最適化制御を完全自動化したオフセット輪転印刷機の開発」が、市村清新技術財団の第113回新技術開発助成に採択されました。
印刷最適化制御を完全自動化したオフセット輪転印刷機の開発について
オフセット輪転印刷機の操作は非常にアナログで、“匠の技”を持つ熟練工の減少により、損紙、印刷不良などの増加が印刷会社の経営に大きく影響しています。国内の印刷会社における損紙率は10~20%と言われ、中堅企業では損失額が年間1億円程度に上るケースもあります。加えて近年では、持続可能社会へ向けた地球温暖化対策としての廃棄資材削減も求められています。
一般に印刷工程では、印刷中にサンプリングした印刷物の汚れや網点パターン、濃度などを作業者が観察・判断して、インキ供給量や湿し水供給量の調整を手動で行っています。本技術開発では、稼働中の版胴面上の輝度変化およびインキローラ上の濃度変化の状態を、光検出センサのRBGLデータからリアルタイムで検知し、産業用エッジPC上のAI解析機能によりインキの乳化状態と濃度を即座に判定・自動調整する制御システムを開発します。印刷機の状態を事前予測し、常に安定した印刷品質を維持することで、損紙率を半減する完全自動オペレーションを目指します。
試作機で損紙削減への有効性、操作性、メンテナンス性などを検証し、世界初のAI解析機能搭載の完全自動化アナログオフセット輪転印刷機の商品化に取り組みます。本システムは、既存の印刷機へ導入も可能であり、オプション機能として自社・他社を含めた幅広い展開が期待され、グローバル市場で高い競争力を持つ商品構成として、その優位性は非常に大きいと考えられます。
宮腰精機では、これら通じ、完全自動化アナログオフセット輪転印刷機の開発・提供を実現することで、印刷産業の課題解決に取り組み、広く貢献していくことを目指します。
市村清新技術財団について
市村清新技術財団は、科学技術の研究開発に対する助成などによって科学技術の振興をはかることにより、我が国の経済社会の発展と国民生活の向上に寄与するために活動しています。新技術開発助成は「独創的な新技術の実用化」をねらいとしており、基本的技術の確認が終了し、実用化を目的にした開発試作を対象にしています。
https://www.sgkz.or.jp/